Hanakoya Blog
第13話 スーツの水洗い
先日、あるビジネスマンが店頭にお見えになられ、革靴のメンテナンス依頼を頂きました。仕事柄、身だしなみに気を使われている方で、つま先のキズが気になるとのこと。ネイビーのストライプのスーツがお似合いで、本切羽のボタンを外してシャツのカフスボタンが見え隠れしているとてもお洒落な方です。私の目線が気になったのか、「Hanakoyaさんはスーツのクリーニングはできますか?」と。「承っております。スーツの場合は水洗いをお勧めしております。」お客様は「水洗い」という言葉に驚きながらも大変興味を示され、翌日そのスーツをお持ちいただきました。「水洗いして縮んだりしないのですか?」確かに水で洗えば縮みが気になるかと思いますが、普段ドライクリーニングしかしていないスーツは汗などの汚れが落ちないため、見た目以上にかなり汚れているものです。しっかりと水で汚れを洗い流し、多少の縮みはアイロンワークで復元いたします。
水洗いしたスーツの仕上がりは繊維の光沢感が出て、色合いも深くなります。汚れが落ちることでジャケットが軽くなり、羽織った時に滑らかな袖の通りとしなやかさで、水洗いの良さが体感できます。Hanakoyaではスーツは普段ドライクリーニングして、衣替えの時に水洗いされることをお勧めいたします。ジャケットは脇や背中、パンツは太ももあたりにかなりの汗を吸いこんでいます。水に漬けこむと洗浄液が汗や汚れで真黒になることもしばしば。
ビジネスマンにとってスーツは作業服のようなものです。とは言ってもスーツなのでお洒落に着こなしたいですね。特にこれからの季節は汗をかくのでお勧めです。皆さんもご主人のスーツを一度水洗いしてみませんか?何も言わなくても、羽織った時に普段との違いに気づかれるはずです。
平成24年7月7日掲載