Hanakoya Blog
第18話 オヤジのバーバリートレンチ ~遺品の再生~
第18話
オヤジのバーバリートレンチ ~遺品の再生~
バーバリーと言えばトレンチコートの代名詞ともいえるほど有名なブランドですね。
この季節はモンクレールなどのダウンジャケットと共にトレンチコートも非常に多くメンテナンスのご依頼を
頂いております。先日、あるお客様からご相談を頂きましたのでご紹介いたします。
「この度はお世話になります。ご相談なのですが、オヤジが着用していたトレンチコートを頂いたのですが、
汚れが酷く、袖口や裾のあたりが擦り切れているのでクリーニングと一緒に修理もお願いしたいと思います。
実は先日、オヤジが急死して、愛用していたこのコートを何とか大切に着てあげたいなと思っています。
よろしくお願いします!」
後日、届いたトレンチコートは襟周りや袖口が汗で黄色く、擦り切れもありますが、それ以外は何ともない状態で
直せばまだまだ着られるコートです。今回は、黄ばみは漂白加工で落とし、水洗い後に糊付けを施し生地に
張りを持たせます。最後にハイパー撥水コーティングを施して本来の撥水性を復元いたします。袖や裾の擦り切れも
綺麗にお直しして復活しました。
バーバリーのトレンチコートは過去に軍事用などにも着用された非常に丈夫な綿ギャバジンを使用しているため、
デイリーユースでも定期的なメンテナンスで、末長く着用できるアイテムです。ヨーロッパでは袖の擦り切れを
想定して予め袖丈を長めにして作り、長く愛用するそうです。
紺色や黒など濃色のものは色褪せなども起きやすいのですが、こちらも染め直す事ができます。
ドライクリーニングでは色落ちしやすいので、ご注意ください。
後日、お客様からご連絡いただきました。「福永さん、本日届きました。あんなに黄ばんでいた汚れがここまで
綺麗になるとは思っていませんでした。袖の丈も丁度良い長さです。これから大切に着て行きたいと思います。
有難うございました!」
12月に入れば冬本番です。よみがえったお父様のトレンチコートが活躍しますね。