Hanakoya Blog
第7話 よみがえる形見の品~天国へ届け!弟のモンクレール~
先日、1通のメールが届きましたので、一部抜粋してご紹介させていただきます。
「ご相談ですがモンクレール?のダウンジャケット(と読むのでしょうか?自分はブランド品にうといのですが、良い物みたいですね)の染め直しについてお聞きしたくご連絡させていただきました。以前、弟が着ていたものですが、先日亡くなり、形見としてもらったのですが、入院していて1年以上、日当たりの良い部屋に吊るし放置していたため日焼けがひどくついてしまいました。おしゃれな弟でしたので、きれいにして使ってやりたいと思いご連絡させていただきました。自分はアルバイトしながら学生やっている身分なので高額な費用は捻出できませんが、ご相談までにご連絡させていただきました。」
「亡くなった弟の形見を綺麗にして使ってあげたい・・・。」その想いに共感し、綺麗にしてお返ししたい。いつも以上にそんな気持ちです。後日、届いたダウンは弟さんの長かった入院生活を物語るかのように激しく変色していたため、スタッフで協議した結果、濃いブラウンへの染め替えをご提案させていただきました。染め替えは私を含む2人の職人の手によって施されます。依頼品に取り付けてあるカルテの備考欄には「ご依頼人の弟さんの遺品。」と明記してあります。私や職人はいつも以上に作業に気持ちが入ります。
後日、お客様からお礼のメールを頂きました。
「早速、確認させていただきました。色合い、仕上げとも大変きれいになっており、とても驚きました!!感謝、感激です!この度は大変お世話になりました。有難うございました!」
弟さんの思い出の詰まったモンクレールがよみがえり、兄へと受け継がれていく。「亡くなった弟の形見を綺麗にして使ってあげたい・・・。」そんなお兄さんの想いは天国の弟さんにきっと届いているはずです。
平成23年1月14日掲載