Hanakoya Blog
Categoryリビングかなざわ掲載記事
第14話 重曹を使ってシャツの黄ばみ取り
皆さんのタンスやクローゼットの中には白いアイテムで黄ばんでしまったものはございませんか?おそらくほとんどの方が衣類の黄ばみで悩まれていると思います。家庭用の漂白剤で洗ってみてもいまいち・・・。塩素系の漂白剤に漬けこんだら地色まで抜けて真っ白なんてことは良くあります。黄ばみの原因は主に汗などの塩分が酸化して黄色く浮き出てくるものです。クリーニングしたのに着ようと思ったら黄ばんでいたっていうのはドライクリーニングによって、完全に汗の成分が落ちていなかったためです。その他にもハンガー掛けしていたら肩から袖のラインが黄色くなったり、たたんでいた場合は胸の四角い部分だけが黄色くなったものは、紫外線などによる日焼けが原因です。いずれにしてもこのように黄色くなってしまったものは水洗いしても綺麗にならないものです。もちろんドライクリーニングではまったく落ちません。クリーニング店に出されても「この染みは取れませんでした。」というカードが付いて返ってくるケースが多い症状です。
今日はYシャツの襟の黄ばみの取り方をご紹介いたします。まずは家庭用の酸素系漂白剤原液10ccを器に入れます。そこにスプーンに半分の重曹を混ぜ、使わなくなった歯ブラシで黄色くなった部分に塗ります。30分ほど自然乾燥したら黄ばみは殆ど取れていますので、その後は通常通り洗濯して下さい。漂白剤を塗ったままにしておくと後々黄色くなってしまいますので、必ず洗濯してください。色物や色落ちしやすいものは水に薄めて部分的にテストしてから行ってください。また、漂白剤の原液は直接触ると危険なので手袋などで保護して下さい。今回のような原液を使う方法は他のアイテムにはあまりお勧めできませんので、綿素材で白のYシャツのみご使用ください。
平成24年8月4日掲載
第13話 スーツの水洗い
先日、あるビジネスマンが店頭にお見えになられ、革靴のメンテナンス依頼を頂きました。仕事柄、身だしなみに気を使われている方で、つま先のキズが気になるとのこと。ネイビーのストライプのスーツがお似合いで、本切羽のボタンを外してシャツのカフスボタンが見え隠れしているとてもお洒落な方です。私の目線が気になったのか、「Hanakoyaさんはスーツのクリーニングはできますか?」と。「承っております。スーツの場合は水洗いをお勧めしております。」お客様は「水洗い」という言葉に驚きながらも大変興味を示され、翌日そのスーツをお持ちいただきました。「水洗いして縮んだりしないのですか?」確かに水で洗えば縮みが気になるかと思いますが、普段ドライクリーニングしかしていないスーツは汗などの汚れが落ちないため、見た目以上にかなり汚れているものです。しっかりと水で汚れを洗い流し、多少の縮みはアイロンワークで復元いたします。
水洗いしたスーツの仕上がりは繊維の光沢感が出て、色合いも深くなります。汚れが落ちることでジャケットが軽くなり、羽織った時に滑らかな袖の通りとしなやかさで、水洗いの良さが体感できます。Hanakoyaではスーツは普段ドライクリーニングして、衣替えの時に水洗いされることをお勧めいたします。ジャケットは脇や背中、パンツは太ももあたりにかなりの汗を吸いこんでいます。水に漬けこむと洗浄液が汗や汚れで真黒になることもしばしば。
ビジネスマンにとってスーツは作業服のようなものです。とは言ってもスーツなのでお洒落に着こなしたいですね。特にこれからの季節は汗をかくのでお勧めです。皆さんもご主人のスーツを一度水洗いしてみませんか?何も言わなくても、羽織った時に普段との違いに気づかれるはずです。
平成24年7月7日掲載
第12話 スタジャンクリーニング~よみがえる青春時代~
Hanakoyaはダウンや靴・バッグのクリーニングというイメージが強いように思われがちですが、スタジャンのメンテナンスも良くご依頼頂いています。「モンクレールクリーニング」と共に「スタジャンクリーニング」の検索順位は常にトップを維持しています。先日もスタジャンのメンテナンス依頼がありましたのでご紹介します。
「Hanakoya様、この度はお世話になります。今回お願いしたいものは袖がレザーのスタジャンです。大学の頃、サークルの仲間で作ったもので大変思い入れがあるものです。最近はまったく着ることもなく、タンスにしまいっぱなしだったのですが、久しぶりに出してみたら当時を思い出し、綺麗にしてみようと思いました。一度もクリーニングしていないので大変汚れていますが、Hanakoyaさんのウエットクリーニングを拝見し、甦らせてみようとご連絡した次第です。一度、お送りいたしますので見てください。」
届いたスタジャンを確認したところ、メルトン部分は埃っぽく、レザー部分は黒ずみや擦れによる色落ちなどがありましたが、特に問題なく綺麗になると診断させていただきました。一般的にスタジャンのようなレザーが使用されているものはドライクリーニングされるものですが、Hanakoyaでは水洗いしています。その為、ドライクリーニングと比べて汚れ落ちも良く、スッキリと洗い上がります。レザー部分のキズや色落ちなども色補正を施すことで綺麗になります。後日、お客様からお礼のメールを頂きました。
「Hanakoya様、この度は有難うございました。先程、スタジャンが届きました。新品、いやそれ以上に綺麗になったスタジャンを見て、びっくりしました!なんだか青春時代を思い出してしまい、当時の仲間に連絡してみました。早速、飲み会になりましたのでこのスタジャンを着て行こうと思います。こんな機会を作って頂いたHanakoyaさんに感謝いたします!」その後、お仲間の方からもスタジャンのご依頼をいただきました。言うまでもないですが全く同じスタジャンでした。
平成24年6月2日掲載
第11話 受け継がれていくもの~30年前のモンクレールを漂白~
先日、お客様から30年前のモンクレールのクリーニング依頼を頂きました。依頼品に同封されていたお手紙の内容をご紹介します。「福永様、いつもモンクレールのクリーニング有難うございます。今回お願いしたいのは30年前のモンクレールで状態を見ていただければと思いますが、大変汚れています。押し入れにしまったまま、久しぶりに出してみるとカビのような汚れと食べこぼしのシミがたくさんついています。実はこのモンクレールは父親から譲り受けたもので最近はあまり着ていなかったのですが、久しぶりに着てみようと出してみたところ、あまりにも酷い状態だったのでご相談させて頂きました。完全に綺麗にはならないかと思いますが、また着てあげられるような状態になればと思っております。よろしくお願い致します。」
依頼品を確認したところ、全体にカビによる変色と古い食べこぼしのシミが多数見受けられました。この場合は通常のウエットクリーニングでは汚れは殆ど落ちませんので、スタッフと協議した結果、漂白加工を施す事にしました。ただ、漂白しすぎると羽毛のボリュームが無くなり、酷いシミの箇所は破れてしまうリスクがあります。その為、完全にシミを落とさないでボリュームと生地の状態を見ながら加工を施しました。後日、メールを頂きましたのでご紹介いたします。
「福永様、この度は有難うございました。先程、ダウンが届きました。正直感動です。事前に伺っていた通りシミは完全に落ちませんでしたが、気にならない程度に綺麗になって全体的なくすみも取れ、本来の明るい色合いになっていました。ボリュームも多少なくなると伺っていましたが、新品同様にふっくらしてとても満足です。これなら父親の前でも堂々と着れますね。この度は本当に有難うございました。」
モンクレールのシミは殆ど除去できるのですが、今回のように完全に取れないシミも稀にあります。私たちはシミを取る事だけを考えるのではなく、素材の風合いやシルエット、発色などトータル的に一番良い状態に復元する事を最優先いたします。
平成24年5月12日掲載
第10話 技術よりも大切なこと~アメリカからの便り~
「福永さん、本日バッグが届きました。迅速な対応をありがとうございました。実は今回お願いしたバッグは、10年以上前に初めて母と二人だけで海外旅行に行った時に買ってもらったもので、(中略)最初は不安でしたが、仕上がりは勿論のこと、それ以外の全ての対応も、丁寧、柔軟、迅速にして頂き、本当に本当にありがとうございました。」
このお客様はアメリカ在住の方で、ご依頼から納品までメールでのやり取りとなりました。大切な思い出の品をメール一本でお送りいただくお客様の気持ちを考えると、正直不安だと思います。実際に顔が見えないネット上でのやり取りでは、出来るだけお客様に安心感を持っていただけるように、必要な場合は何度もご連絡させていただきます。メールの文章は単に文字が並んでいるだけではなく、その行間にお客様の感情が見え隠れしています。私たちはそのお気持を察し、それに応えるために最善を尽くすだけですが、仕上がり品がお客様のお手元に届くまでは出来るだけ安心感を持って頂けるようにオペレーションや接客に注意しなければいけません。それは技術よりも大切なものだと考えています。私たちはメンテナンスを通してお客様に喜んでいただけるサービスをご提供しなければいけないのですが、そんな機会をお客さまのほうから頂いています。毎日お礼のメールばかり届くのではなく、時にはお叱りもいただきます。私たちはお客様に生かされていることを忘れず、今後もスタッフ一同業務に邁進していきます。
平成24年4月7日掲載