ブランド別事例集詳細

2019.05.26

［その他（靴）］靴・ブーツ靴の製法～マッケイ製法とセメンテッド製法～

事例詳細はこちら

難易度：

今回は前回に引き続き代表的な靴の製法である、マッケイ製法とセメンテッド製法をご紹介します。

このブランドのその他事例: ・Vibram社#1136 オールソール交換; ・VERO CUOIO ってブランド名？？; ・DALEE'S＆Co（ダリーズアンドコー）ハーフソール補修

オールソール

画像をクリックして拡大イメージを表示

Hanakoyaの申込みは安全: 詳しくはこちら

靴の製法～マッケイ製法とセメンテッド製法～

今回は前回に引き続き代表的な靴の製法である、マッケイ製法とセメンテッド製法をご紹介します。

◆マッケイ製法
マッケイ製法は簡単に言うとアッパー（足の甲を包む靴の上部）と中底とソール（靴底）を直接ダイレクトに縫い合わせる製法です。
画像は左からソール→中底→アッパーです。この3つのパーツを縫い合わせます。
マッケイ製法は靴底を薄く作ることが出来るため軽く、反りが良く通気性にも優れた靴となります。
その反面、クッション性に乏しく、長時間の歩行には向いていないというデメリットもあります。
また、マッケイ製法はアッパーとソールをダイレクトに縫っている為、靴底に縫い糸が見えるのも特徴の一つです。
マッケイの糸は松脂が塗られ、新しい状態では水をはじきます。
しかしこの糸が古くなり、松脂が取れ、更に摩耗によって切れてくると、雨の日など糸をつたって靴の中が濡れるという現象が引き起こされます。
予防策としては、ハーフソールでの保護がお勧めです。

オールソールの回数としては、2.3回が目安です。
マッケイ製法のオールソールの可否は中底の状態で決まります。中底は新しいパーツに変えられない為、新たにかける縫いに堪えられない状態の場合はオールソール不可となります。
◆セメンテッド製法
セメンテッド製法は、マッケイやグッドイヤーのような縫いの作業はなく接着のみで作られています。
縫いの作業が無い為、製造のコストが抑えられ、デザインの自由度が高いのが特徴です。そのため、紳士靴だけではなく婦人靴やスニーカーなど広く採用されています。

デメリットとしては、接着剤が劣化しソールが剥がれてくるという点です。特にこれからの時期、サンダルをいざ履こうと出してみたら剥がれていたというご相談を度々頂きます。剥がれの原因としては接着剤の劣化の他、高温多湿な環境での保管が考えられます。
再接着も出来ますが強度が弱まるため、またすぐに剥がれたり、新しい接着剤が定着せず修復不可となる場合もございます。
基本的にはオールソールには向いていない作りの為、可能な場合も1回程度の補修となります。

このようにそれぞれ長所や短所がありますので、ご購入や修理をされる際の基準として参考にしてみて下さい。